コラム383 <束の間の太陽>
梅雨の日々。束の間、太陽が樹間から差し込んできた。久々に日光浴を、とデッキにキャンバス地の椅子を置き、エサ台にエサを入れてからしばらく日向(ひなた)ぼっこをした。
エサ台に間もなくキジバトがやってきた。少し離れたところからウグイスの声が聞こえてくる。トーンの高いのと低いのの二羽。
ウグイスが鳴く度に私はまねをする。
〝ホ―ッ、ホケキョ‼〟
都会のウグイスと違ってこの辺のウグイスの声はいたってつややかだ。都会のウグイスは暑さや光化学スモッグやらで喉(のど)がいがらっぽくなっているのだろう。
〝ほーっ、ほけきょう!〟
私のまねは都会のウグイスどころではない。鳴く度にまねるが、舌も声帯も多少マヒしているから、どうもうまくまねられない。
〝ホ―ッ、ホケキョ‼〟
〝ほーっ、ほけきょう〟(キレガ悪い)
〝ホ―ッ、ホケキョ‼〟
〝ほーっ、ほけきょう〟(これじゃ法華経の読経じゃないか!)
エサ台の上でしばしついばむのを止めて、こっちをじーっと眺めていたキジバト君の表情は
〝あなた うまくないねぇ〟
と言っているようだった。首をかしげながらの目がそう語っていた。
スミマセン、もっと練習しておきますから・・・。(7月3日記す)