コラム380 <人間とは>
〝人間とは理性の動物である、と云うが正しくは人間は歴(れっき)とした感情の動物である。
他の動物との違いは、その感情を理性によってコントロールできるか否かにある〟
たしか『人間とは何か』といった類のタイトルの本に書いてあったことである。合点して読んだ記憶がある。逆に云えば理性によって感情をコントロールできない人間はより動物に近いと言うことができる。
岸田首相の国会答弁や海外での会見などを聞いていて気がついたことがある。いつ聞いても話がなぜ胸に迫らないのか、心を打たないのかの謎が解けた。それは理性が勝ち過ぎて感情に抑揚が無いせいだ・・・と。淡々とした受け身一方では理性的とは言われても、聞いていて心動かされるものなく、さっぱりおもしろくない。
怒るべき時にはもっと怒れ!
うれしい時にはもっとうれしがれ!
哀しい時にはもっと哀しめ!
くだらない質問にはバカヤロ~ッ!のひとつも言ってやれ!と思って私はいつも聞いているが、パッション不足なんだな。それを理性的と勘違いしている。
瀬戸内寂聴さんの日めくりカレンダーの一日には、こうある。
〝笑顔はその人にとって一番輝いている素敵な顔です。
幸せは笑顔に寄ってきます〟
一面の真理だとは思うが、しかしケラケラ・ゲラゲラのバカ笑い、ヘラヘラ・ニタニタ・ニタッのうすら笑いはこの笑顔の範疇に入らない。