2024年7月8日月曜日

 コラム381 <今春最大のショック> 

 

  多くの人の支えと助けを受けながら、日々の生活が何とかできている。感謝することばかりだが、自分がお返しできないだけにこれもまた辛いことだ。  日曜日を除く毎夕、四人のヘルパーさんが交代で食事をつくりに来てくれる。以下4月のある日のヘルパーさんとの会話である。

 〝牛乳飲みたいんだけど・・・〟

 〝器はどれにしましょうか?〟

 〝私の食器が並んでいる棚に大きめのソバチョコがあるでしょう?〟

 〝・・・ソバチョコって何ですか?〟

 〝蕎麦猪口(ソバチョコ)知らないの?

  長く日本人でいながら蕎麦は随分食べているはずなのに・・・。

  盛り蕎麦を食べる時に使うつけ汁の入れもの・・・。

  そこに磁器の染め付けの器があるでしょ〟

 〝染め付けって何ですか?〟


 10代か20代の若者ならともかく、40~50代のヘルパーさんだから驚いたのである。知らなくて当然といったような平然とした表情をしているから、おそらく世界で最も豊かな食器文化を持っている日本でも事態はこんなところにまで来ているのか!と思われて一層ショックだったのである。陶器と磁器の違い、白磁に染め付けとはこういうものだ、と不自由な身体を台所に運んで「講義」を始めた。この話を翌日見えた別のヘルパーさんに話したら、


 ”ソバチョコって何ですか?私も知らない〟


これには私も腰を抜かしそうになった。それまでの腰痛がさらにひどくなった。