2022年3月28日月曜日

 コラム262 <山小屋のエサ台に集まる野鳥達>

 

 野鳥達がエサ台に最も多く集まってくるのは冬だ。逆に一番少ないのは青虫等の生エサの多い新緑の季節と、樹々がさまざまな実をつける秋だ。

 私の山小屋のエサ台に通年集まって来るのはヒガラ、コガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ等のカラ類、それにキジバトだ。冬になって一面雪におおわれる頃になると、アトリ、ウソ、オオマシコなどの冬鳥が飛来し、にぎやかだ。留鳥とされているカワラヒワも、この辺では圧倒的に冬に多い。

 古代ローマの闘士を思わせる風貌のシメや、睨(にら)みのきいた顔つきのカケスなども時々姿を見せて、冬の山中は多彩な顔ぶれだ。

 しかし人が多くなるにつれ、姿を見せなくなった鳥達も多い。辛うじて昼にはウグイスが鳴き、カッコウが鳴き、夕闇迫って寂しげに、ホトトギスが泣きながら飛び去ってゆく。