2022年3月21日月曜日

 コラム261 <野鳥もメタボ?>

 

 都会では、飼い主に連れられて太った犬がヨチヨチ・ヨタヨタと散歩している姿をしばしば見かけるようになった。昔には見かけなかった姿である。これも物質的に豊かになった時代のひとつの証なのだろう。

 運動不足ということもあろうが、それ以前にかわいさ余ってうまいもののやり過ぎが第一原因と思われる。過食プラス運動不足である。

  過日、麓のホームセンターまで野鳥のエサを買いに出かけた。何か企画があったのだろう。売場に「野鳥の会」のメンバーが来ていて、少し話を聞くことが出来た。

 最近は野鳥にエサを与える人が多くなり、野鳥達が栄養過多となって短命になっているという。この日まで私もヒマワリの種ばかりを与えていた。最も好んで食べるからである。その分栄養価が高く、カロリーも高いのだろう。

 その日からヒエとヒマワリを半々に混ぜてやるようにした。しかしヒマワリから先に食べるから、まずヒマワリが無くなる。かわいさ余って次々に足してやると、ヒマワリばかりが無くなってヒエは残る一方だ。ここが辛抱どころだ。ヒマワリの種が無くなっても、しばらく放っておくと、やがてヒエも食べるようになる。

 人間の身体に雑穀米がいいと言われるのと同じなんだな。かわいいからといって、好んで食べるものをどんどんやる。結果それが野鳥達を短命にしている、とその人は言うのだった。

 それでも別荘地に人が来る期間は限られているから幸いだ、と思ったが、常住組やレストラン等も年々増えて、そうとばかりも言っていられない状況になっている。〝野鳥もメタボの時代?〟と、ふと頭を過(よぎ)った。

  コロナウィルスの蔓延(まんえん)がきっかけとなって、自然の中で暮らす人が増えていると聞く。人間が多くなると碌(ろく)なことはない。移り住むのは結構だが、自然界のバランスを崩さないよう心掛けたいものだ。