2022年3月7日月曜日

 コラム259 <価値ある本は何遍も読むべし >

  いい本は何度も読んで、学ぶべき内容を自分の心にすり込んでいくようでなければ、身につくものではない……などと思っているうちに、以下のようなことに気がついた。
 大事なことを他人から一度言われて身につく人がいるだろうか?何度も何度も言われて、やっと身につくかどうか……。それと同じことだ、とハッと気づかされた。

 私が今病院からもらっている軟膏に、こう書いてあった。
  〝できるだけ薄く、よくすり込んで下さい。一度に厚く塗っても効果が上がるものではありません。〟
 これと同(おんな)じだ。

 反省も同様だ。
 一度反省した位では、なかなか身につくものではない。価値ある話も、余程頭のいい人なら一度聞いて覚え込むことは可能だろうが、それは身についたこととは訳が違う。
 次々と新しいものを読む。学者や研究者ならいざ知らず、素人は人間をつくるためにこそ学び、知るのだ。それなのに、知ったことを身についたと錯覚しがちである。特に知識偏重の人間は厳重な注意が必要だ。