2023年11月13日月曜日

 コラム347 <自然の摂理に従う> 


 樹々や草花は不平を言わない。

 動植物は愚痴を言わない。

 訪れる状況の中で、淡々と生きている。

 生きられるだけ生きて、死期が来ればそれに従う。自然の摂理に従って淡々としている。


 それに比して犯す罪がはるかに深く重いのは人間である。他の動植物の生存を脅(おびや)かし、地球そのものをも破滅させかねない程になってしまったのだから・・・。SDGsなどと今頃騒ぎはじめても疾(と)うに遅いのかもしれない。

 人間が作り出した欲望に歯止めのかからぬ現代資本主義社会は、結局止めるすべを持たない程肥大化し、幾多の罪を積み重ねてきてしまったのだから・・・。海に対しても、山に対しても、緑地や地下に対してまでも自然の摂理を破壊し続けてきた。それを誰が発展と呼ぶだろう。


 不知足(足るを知らず)は人間の生き方。

 知足(足るを知る)は動物の生き方。

 〝淡々と生きる〟とは不知足、知足をも超えている。ゴータマブッダは、人間が知足の存在となるように説いたが、2000年以上経った今、人類の現状は悲しいかなこの通りである。