2017年1月16日月曜日

コラム 72  言葉使いに品性を見る  

ある出版社に在庫確認のための電話を入れた。
その時の応対も感じがよかったが、その後本を注文してから戴いた電話での、品のいい丁寧な言葉使いに感心した。その女性の名は大井さんと言った。
ちょっとしたことなのだ。 

〝少々御待ちいただけますでしょうか〟
〝今後共宜しくお願い申し上げます〟 

丁寧な言葉も、取って付けたようなものでは却って印象を悪くするものだが、この人の言葉はしっかりと身に付いていて、だからさらりと美しかった。
言霊(ことだま)
あるいは言魂と表される如く、言葉使いというものは人間の内面をも表わすようでとても大切なものだ。
私は爽快な気分になった。
人間のあり方を問い続けるこの出版社は、私にとってぐんと信頼を増す出版社となった。