2015年11月16日月曜日


コラム 11 <〝毎年異常〟という異常>  

 8月初旬までは、こんなに暑い夏は初めてだ、とみんな言っていた。確かに30年近くこの山中に暮らしているが、室温が24度を越えたことはこれまで一度も無かった。それが今年は26度まで上った。 

 だが88日の立秋を過ぎた頃から俄かに涼しくなり、追うように連日の雨、雨、雨、雨・・・・・。さすがのおテントさまも早々に熱を出し過ぎて疲れを起こしたんだよ、などと言っている内に、もうカーディガンを羽織らないではいられない様になった。あちこちでストーブが入り始めた。
 人々は口々に、こんなに寒い8月は初めてだと言い、こんなに雨の続く夏も経験が無いと言い始めた。 

 82日の夜、集まりの最中に、何事が起きたかと思う程の大粒の雹が激しく降った。山小屋周辺は、まるでトロ箱をひっくり返したようになった。あとで聞いたのだが、ここから少し下った標高1400メートルあたりの仲間は、それがピンポン玉大となって車をボコボコにされたと言っていた。 


 それにしても、このしとしと降り続く雨は何なのだろう・・・・・忍び難く悲しんでいることでもあるのかと、空に聞いてみたいものだと思う。
 きっとお天道様も、自然に対して驕り昂ぶる人間と社会を悲しみ、さまざまな形で怒りを発しておられるのだろう。周辺では、バリバリと音を立てて大木が切り倒されてゆく。そのあとの手当てをする者もいない。