2024年4月15日月曜日

 コラム369 <差別用語①> 


 昔は「認知症」などとは言わなかった。「耄碌(モーロク)」。今でも私にはこの方がリアリティがある。「惚(ぼ)ける」とも言った。「ぼけ老人」。こちらも差別用語の対象になったものやら最近はあまり聞かない。言葉使いには気を付けなければならないが、差別とは心の状態と相俟って言うのであって言葉そのものに差別があるのではない。


 しばしばおかしいと思う時があるこの差別用語。新聞社はもとより出版社もTV局も神経を尖(とが)らせる。この手の事柄に対して抗議するのを趣味にしているような人までいて、NHKなどには即抗議の電話がかかってくる、と聞いた。どこでどんな人達が集まって決めたことやら。そんなことを言っていたら「聖書」など差別用語だらけになるではないか。「仏典」だって同様だ。本音を聞くと、〝私も同感だよ〟と云う人も多いが、それでもお国の決めたことだからと従っている。おかしなことだ。