2023年1月30日月曜日

 コラム306 <命を与えられている者の責務>


 日本人として学ぶべきことを、あまりにも学んで来なかったという思いは、最近私にとって深刻である。

 アイヌに関する本を最近再び読むようになってから、この思いはなお一層深刻なものとなった。


 人間として大事なことを、もっともっと真剣に学んでくるべきであったとの思いは無念というに近い。

 どうでもいい、つまらぬ雑学によらず、単なる情報や知識を避けてここまで生きてきたつもりだが、それでももっともっと大事な、深く考えなければならぬことがあったとの思いは拭(ぬぐ)えない。


 だが、そんなことを嘆いていても始まらない。まだ命があるのだ。これからも学び続けるだけだ。遅きに失するということもないだろう。今日(こんにち)気付かされたのだから・・・。 今にして気付かされたのだから・・・。

 人間として大事だと思われることを学び続けること──これが命を与えられている者の責務であるとさえ、今の私には思われる。こうあってこそ、永遠の命を信ずる人間の人間たる所以(ゆえん)であろうとも思う。