コラム205 <薬 ②>
記されている薬の説明書を読むと、効能より副作用の方がはるかに多い。その副作用のためにまた薬が加えられるから、素直にこれ式でいけば際限なく増えていくことになる。それぞれの薬の副作用は記述されているが、三種以上も混合された場合の複合副作用については医師や薬剤師にも判らないことが多いと聞く。判らないことが多い、ということは判らないということだろう。
私の経験からいうと、こちらから申し出ない限り出される薬は減らないということだ。明らかに副作用が強い場合にははっきり止められるが、どんな程度かはっきりしないことがほとんどだ。少なくとも医師の判断でもう必要ないでしょうと言われて減ったことは一度もない。素人ながらに考え、こちらから申し出て減った薬は以下のものである。
ある日食卓テーブル仲間(4人)の内の一人が〝インシュリンを長くやってるのは体にあまりよくないらしいね〟と言ったのがきっかけである。そもそも4人が4人共、毎朝シャツの裾をめくり上げて注射(インシュリン)を打たれている姿は格好いいものではないし(中にはデブッチョもいるし)、〝このテーブルは麻薬患者の集団みたいだな…〟と言って笑い合った。そもそも私の血糖値は見舞いに持ってきてくれた団子だの、饅頭(まんじゅう)、それに糖度の高い果物を食べた後が高い位で大したことはなかった。
② 血圧を下げる薬
③ 鬱になりにくくする薬
④ 便通をよくする薬(マヒによって腹筋力他が低下するから、ほぼ全員に出されるようだ)
極力薬を少なくしたい旨を医師に伝え、自分なりに知った代用となる食品で対処したいと申し出てOKがとれた。
①については、うまい!といって饅頭などををパクパク食べないようにし、
②については、黒酢ニンニク、黒ニンニクを毎日食べるようにし、
③は体が自由に動かないのだから、多かれ少なかれ皆ウツウツしている。だが、〝私は音楽を聞いたり、読書をしたり、文筆したりするから薬が必要な程にはならないと思います〟と申し上げ、
④についてはキノコ(特に舞茸がいいらしい)、キウイフルーツ、オリーブオイル、野菜サラダ、チーズ、ヨーグルトを食するようにすることで合意が取れた。できることなら、これが一番自然なことである。
①については鹿教湯病院の主治医だった院長先生が、〝脳卒中(脳出血や脳梗塞など)を起こした直後はどうしても血糖値が上がるからね。高橋さんは元々は糖尿病ではなかったと思いますよ〟と言ってくれたので、これでスッキリした。おおらかな良い先生だった。