2016年5月16日月曜日


コラム 37 <秋田第2放送そして二本の川-その①>  

これが不思議なのだ。私の山小屋は長野県と山梨県の県境に位置する八ヶ岳山中の、中でも長野県側にある。ここでNHKラジオ秋田第2放送が聞こえる。そんなこと何ら不思議ではないと思われるかもしれないが、すぐ近くには岡谷・諏訪放送局があり、伊奈、駒ヶ根、松本だって近い。なのにこのいずれもが全く入らず、一番よく聞こえるのが秋田局ときている。時間帯によっては東京局と大阪局がかすかに入る。
周波数を調べてみた。 

(周辺)         (遠方) 
岡谷・諏訪局  1359     秋田局  774
伊奈局     1539     東京局  693
松本・駒ヶ根局 1512     大阪局  828
飯田局     1476
長野局     1467         
       甲府局     1602

このように周辺にはここを取り囲むように沢山の局があるというのに、チューニングしてみても全くキャッチしない。甲府は山向こうだから無理もないし、他の局との間にも山あり谷ありだから判る気がするが、わからないのが岡谷・諏訪局だ。諏訪など眼下に見える程だし、山小屋とこの局との間には山らしい山は無いのだから不思議だ。
また東京、大阪局が入るのはきっと電波塔が高いからであろうとも思うが、それでもこことの間には電波塔どころではない高い山々がいくらでもあるのだから、考えると余計に判らなくなる。それにしても野越え山越えはるかに遠い秋田局が一番よく入るというのはどういう訳か。

〝遠くの秋田がはいるのにどうして近くが入らないのか〟とNHKに電話をして尋ねてみた。電波係が時間をかけて調べてはくれたが、はっきりしたことは判らなかった。 


秋田は私の故郷だから応援してくれているのか・・・・・などと冗談まじりに考えていたら、突然若い頃の秋田の家のことを想い出した。