コラム457 <人間とはかくも成長しないもの>
吾十五にして学に志し
三十にして立ち
四十にして惑わず
五十にして天命を知り
六十にして耳順(したが)い
七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰(こ)えず
孔子(前551~479)
40,50はハナタレ小僧
60,70は働き盛り
80,90になって迎えが来たら、100まで待て、と追い返す
渋沢栄一(1840~1931)
この二人の間には2000年以上の時が流れた。その先にも、後にも、数多(あまた)の賢人達が遺した言葉が、書物が数え切れない程ある。
現代の我々は学ぼうと思えばそれを学び得たはずである。しかし、人間とは成長の糧(かて)がいか程あっても成長し得ないものだなあ、と上記二つの言葉を読んで思った。しかも現代は長きに亘って続いてきた書物文化が衰退はおろか崩壊の危機にすらある。本は売れず、読まれず、街から本屋さんは次々と消え、出版社は生き残りをかけ喘(あえ)いでいる。情報の量だけは間便に入手できるようになり、人間そのものは益々幼児化している。長寿にはなったが、なんと寂しいことではないか。