コラム440 <今の私の名はグ・ロッキー②>
薬の副作用とは怖いものだ。〝効けば薬、効かねば毒薬〟とはよく言ったものだ。主治医とリハビリのトレーナ(セラピスト)達の楽しい中にも懸命な努力によって私の視床部脳出血の左半身マヒの後遺症は順調な回復を見せた。
〈コロナワクチン〉
だが三度のコロナワクチンでマヒ側の筋肉が緊張し、つっぱり、大きい関節、小さな関節にかかわらず、全ての関節がまるで通風のように痛み苦しむようになった。眠れぬ夜の到来である。三段階の悪化である。
〈ボトックス(ボツリヌス療法)〉
リハビリのおかげで関節は固まっていないから、ボトックス向きではないと2つの病院で診断された。だが苦しさは続く。人の紹介で松本の脳神経外科専門病院を訪ねたが、診断は同じだった。その担当医は気さくなドクターで、
〝わざわざ松本までやって来て、何もしないで帰された、ではねえ・・・〟と言って、
〝ボトックスを特に苦しい場所に打ってみますか?病院でもやってないんだけれどもチャレンジとしてやってみますか?〟
〝こんなに苦しみが続いているんだからチャレンジでも何でもやってみます〟
と私は答えた。
肩甲骨まわり、肩、背筋、肘、と計八本の注射を受けた。毒薬なのにいやに気楽に打つんだなあ、と思ったが、これが裏目に出て翌日から症状はさらに悪化した。注射を打ってから数年経つというのに苦しい副反応はいまだに抜けない。