2016年1月11日月曜日



コラム 19 <暖炉が教えた新年の発見> 

 準備の時期を逸して今年の薪は湿っぽかった。雨に打たれたまま凍ってしまったからである。燻るばかりで燃えが悪い。火が点いたかと思うと消えかかる。

 はじめから基本に添って薪の組み方を変えてみた。焦らずに、細いものから順に、燃え立ったら徐々に中位の枝へ、しかも空気がよく通るように・・・・・。
しばらくすると火はパチパチと音を立てて燃え始めた。火の勢いはさらに加勢してまわりを熱くし、一気に、赤々と燃え上がった。 
 
 暖炉の火を見ていて、当り前の原則に気がついた。同じ種火、同じ薪にあって、その組み方によって燃え立ち様が全く違ってくる・・・・・。これは人間の集団とて同じことだ。
 自然が示しているこの基本原則に忠実に・・・・・新年の暖炉火はこの自然の原則をもう一度見つめ直すよう教えてくれたのである。