山小屋の電話を約30年振りに替えた。子機ひとつのきわめて素朴かつシンプルなものだったが、子機をうっかり雨に濡らして使えなくしてしまった。子機だけ買い換えれば済むのかと思ったら親機共々交換しなければならないことが判って、子機二台のものに替えた。極力シンプルなものをと選んだが、以前に比べれば随分多機能だ。
その中に着信履歴という機能がある。何せここは山小屋なのだから一定期間しか居ない。よって留守中の電話がすべて着信履歴として残り、それを知らせる赤ランプが点灯するようになっている。
見なければいいようなものだが、赤ランプが気になって、一通り着信履歴を見る。
留守中の10日間に14回かかってきたものがあった。いったいどこからだろうと、これもよせばいいのに電話をしてみたら〝NTT光回線に関する案内〟だという。これをストーカー行為とは呼ばないけれど、いくら何でも10日間に14回とは私の感覚でいえばストーカーに近い。以前にも書いたが電話帳に載せてもいないのにかかって来る不思議さ。これなどまさしくNTTの職権乱用ではないのか?
他の営業電話にも、どうしてここの番号が判ったのか?と聞けば決まってこう返ってくる。
〝我々はただ回ってきたリストを見ながら掛けているだけですから・・・・・〟
私はさらに追い討ちをかける。
“どこから回ってきたのか?〟
何やら国会答弁のようだが、この手をしばらく続けていたら、営業電話はどこからも来なくなった。
静かな山小屋(とはいっても向こうには山だか谷だかわからないのだが・・・・・)にまで、電話での営業攻勢ではたまらない。一度通信販売で取り寄せたりすると、お得意様でもないのに〝これはお得意様限定の案内〟だと電話がかかってくる。以前はこの手に弱かったが、もうその手には乗らない。私は知恵者になったのだ。
それにしても放っておけば山中の、しかも夜の9時過ぎまで追いかけて来るこの「かたっぱし電話」の無法状態に、何か規制のルールが必要なのではないか?