コラム432 <好きこそものの上手なれ>
2000年以上前の『論語』にも以下のようにあった。
〝知る者は好きに如(し)かず〟
もう少し詳しく見てみよう。
〝子(孔子のこと:孔子は2500年程前の人である)曰(のたまわ)く。之を知る者は、之を好むに如かず、之を好む者はこれを楽しむ者に如かず〟
如(し)かずとは適わないというような意味であろう。
私は大学の建築科に入り、図学、設計製図に優れていた。図面を描き、表現するのも好きだったし、イメージするのも好きだった。だから楽しかった。楽し過ぎて卒業設計など提出期限に2ヶ月も遅れで出す始末だったが、卒業したのだから合格ということにしてくれたのだろう。
私を助手に迎え入れた井口洋佑助教授(後に名誉教授)はその点で私を見誤ったのだ。これは天才的に優秀だ!私が優秀だったのはその助教授が担当していた科目だけだったのだから・・・。好きでもなく、あまり楽しくもない科目には懸命に取り組むことがなかったからである。この道理は少なくとも2500年も前から教えられていたことだった。人間にとっての真理はそう変わるものではないなあと今さらながらに思わせられるのである。