コラム425 <二月の夢とスキー部と>
深々(しんしん)と降りしきる雪の夜、入院先の病室のベッドの中で夢を見た。数十センチは積もったであろうスキー場で、深い新雪の中を雪しぶきを浴びながら爽快に、階段を右に左に飛び降りるかのような感覚で(これが深雪を滑る時のコツなのである)滑り降りてゆく。
〝何だ、予想以上に滑れるじゃないか!〟
そんな気分で、朝目が醒めた。だが私の体は依然左半身マヒのままだった。
元々、住まい塾にはスキー部があって、毎年所を変えてあちこちに行った。北海道のニセコ、新潟の妙高高原、長野の志賀高原、奥志賀高原、野沢温泉、戸隠、群馬の万座温泉、山形蔵王、等々、他にもいくつかある。
参加者は東京・大阪本部の設計スタッフ、賛助会メンバー、つくり手仲間、住まい塾で家をつくったOBなど15人程が参加していたが、程なく設計スタッフの大半は脱落し(私がイジメ過ぎたからだというが、体育会系の私はただかわいがっただけなのだ)その他のメンバーはほぼ毎年続いた。振り返ってみれば年々温泉場のスキー場が多くなった気がする。その理由は私にはよく判らない。
私は秋田県湯沢市に生まれ育ったから、特に山形蔵王には馴染みが深かったが、昔よりはるかに快適なスキー場になっていた。さすがに伝統あるスキー場だけに、それに奥羽山脈系だから傾斜も程々でゆったりしていて、おまけに地酒がうまい。ここはまちがいなくおすすめのスキー場だ。スキー部のおかげで沢山の楽しい想い出が残った。
現在のスキー部長は菅谷輝男君、私は顧問ということになっている。