2020年10月5日月曜日

 コラム185 <成功>

 夢の中で誰かと〝成功〟について語っている。内容を思い出しながら書く。

  〝今の時代は志薄く、中途半端に成功だけを求める者達だらけになったから、自然世の中つまらなくなるよ。成功を願うのは勝手だけれど、だいたいは思い通りにはいかないのが昔からの相場ときている。

 因みに「成功」とは、私は人間としての完成に人生をかけて近づくことだと思っているが、こういう価値観も今の時代は全く希薄だ。こんな経済社会になっては致し方ないとも思うが、経済即ち金の面でうまくいけば、それが成功なのだ。何と大きな見当違いをしてしまったものか。

 失敗にめげずに立ち上がり、鍛えられて、おもしろい人間が出来上っていくんじゃありませんか。面白い人間を見ていると、だいたいそういう経験の積み重ねの上にできているよ。成功尽くめなんて無いっていうか、仮にあったとしてもいいことでも何でもないんだ……〟

  〝かつては〝苦労は金を出してでも買え〟なんて言われたものだけれども、あれは人間づくりのために言われたものでしょう?今は、金出して苦労を捨てるような考えの人間ばかりになっているんじゃない?金出して苦労を買うバカがどこにいるか!なんて言われかねない。そんなことで味わいのある、厚みのある人間が出来上がっていく訳が無いんだ。もんじゃ焼きみたいな薄っぺらな人間しかできて行かないんじゃないか?……〟

 こんな話をしている。語り相手が誰であったかははっきりしない。