2020年9月7日月曜日


コラム181 <日本三鳴鳥+α> ——— その②

ウグイスは、ホトトギスなどに托卵されることがあり、これも摩訶不思議な自然の摂理のひとつである。ウグイスは全長15cm程だというのに、全長が30cm程にもなるホトトギスの卵を懸命に抱卵して温め、何せ食べるエサの量が違うだろうに生まれたヒナを必死に育てる。生み落とされたウグイスの小さな巣の中で、あふれんばかりの大きさに育ってくるのだから、途中でこれはおかしいなと思いそうなものだけれど、我が子と信じて疑わずにせっせとエサを運んで育てる。巣立つ頃には、ほぼ30cm近くになっているのだから、気味が悪いなどと感じないものだろうかと思うが、このウグイスは余程仏心深い鳥なのだろう。
 〝ホー、ホケキョ!〟と鳴くのは、それとは関係ないことだろうが、托卵する方のカッコウ科のホトトギス類にはよくよく調べると残酷と思われる巧妙な一面があって、私は好きになれない。
 図鑑には繁殖期の雄は「特許許可局」と鳴くと記されているが、私にはそのように聞こえたことが一度もない。先日、その辺に詳しい別荘地の友人に酒を呑みながらたずねてみたら、あれは〝テッペンハゲタカ〟って鳴くんだよ、というから私は〝余計なお世話だ!〟と返して笑い合った。あとで山と渓谷社の野鳥図鑑を調べてみたら、〝テッペンハゲタカ〟でなく〝テッペンカケタカ〟とあった。どちらにしても大してかわりはないか……。
 オオルリに対してはこれまで二度気の毒なことをしている。大きな窓ガラスに当って窓下で死んでいた。私の記録には、2010.5/22012.5/10とある。他の家でも一度見た。透明ガラスに周囲の樹々の姿が映るから、森と思って突っ込んで首の骨を折ってしまうのである。私はあまり詳しくないので、あるいはルリビタキであったかもしれない。以来、当り易い方にアミ戸を持ってきておくか、必要な時以外はケースメントあるいはレースをしておくようにしてからは、こうした事件は起きなくなった。