2020年11月2日月曜日

 コラム189 <上から目線②>

  大した人が大したことを言う分には腹が立たないものだ。問題は大したことのない人が大したことを言う場合だ。〝上から目線〟というものは、おそらくこの場合の心理と同様で、大したことのない人間が大したことを言ったり、大した態度をとったりするから相手の不快をあおり、腹立たしいことにもなるのだと思う。

 驕(おご)り、昂(たか)ぶり、傲慢(ごうまん)な言い方をすると、〝何をえらそうに!〟などと言われる。これもえらくない人がえらいことを言うから、えらそうに!なのだ。時にはきつい、激しい言い方をしなければならないこともあろうかと思う。しかし限界は効果ある言い方をすることだ。勇ましいけれど、さっぱり効果なしでは仕方がないし、〝言ってやったぜ。ああスッキリした!〟ではあまりに大人気ない。要は人間の底力の問題である。

  その点若い時分から〝先生〟と呼ばれる職業についている人は注意が必要だ。特に先生だらけになった昨今では本心からではなく、大方立場上そう呼ばれているに過ぎないと知っておいた方がいい。設計者もその一人である。

 人間常に素直に、謙虚でありたいものだと思う。いくつになっても、それが人間成長の第一の要件だからである。