2021年10月11日月曜日

 コラム238 <スマホ/ケータイの功罪>

  大分前のことだが、私があるところで講演を頼まれ、話している最中に最前列の一人が突然話し始めた。その頃はスマホなど無かったからケータイ電話である。さすがに司会者に注意されて廊下に出されたが、最近だって会議中に突然話し始めた者がいた。「○○さん!外へ!!」と私は一喝したが、あれは受けて話し始めると、まわりへの配慮を突然失うものらしい。
 昔なら〝この無礼者!〟で済んだが、時代が変わってあまり激しく注意したり、怒鳴ったりしなくなったから、こういう不届き者が絶えないのである。 

 どこにも持ち歩かないと、不安なのであろう。こうなると明らかに一種の病である。便所に入るにも連れ歩く。
 先日も高速道路のサービスエリア内のトイレブースの中から話し声が聞こえてきた。いくら便利とはいえ、用を足しながらしゃべることもあるまいに……。便所とは便利な所という意味ではなく、便をする所である。そんなことは言われなくとも判ってる?……だったらそうすればいいじゃないか!言われなくとも判っていることをしないから世の中がおかしくなるのだ。
 私だったら〝便所まで追いかけてくるんじゃない!〟と言って怒り出すだろう。別段相手が追いかけてきた訳でなく、持ち込んだこちらのせいなのだが……。始末の悪い話だ。