2020年10月19日月曜日

 

コラム187 <カジノとトバク———その②>


  カジノといっても、公認の巨大トバク(賭博)場に違いはありません。それ故、いかなる経済効果があろうとも日本はカジノ施設は作らないと世界に向けて宣言したなら、さぞかし潔い国として賞賛を浴びるに違いありません。賞賛など浴びなくても日本人として気分がいいではありませんか。歴(れっき)とした賭博罪のある国なのですから、誘致する側にも、やる側にもどこかうしろめたさがあるはずなのです。(感覚がマヒして、そんなもの疾(と)うに無いのかな……)

 私は、安倍首相(もうお辞めになってしまったが)以下、日本の政治家たちにお聞きしたい。昔から取り締まってきたトバクも国の名の元でなら大っぴらにやっていいという理由はどこにあるのですか?単なる大型のマネーゲームに終わらずに、麻薬から足が抜けなくなるような人々の悲劇がきっと生まれてくるでしょう。

 〝ラスベガスはじめ、他国でもやっている……だからいいだろう〟というのは民族としての精神的誇りを失った人間の使う言葉です。他国が持っているからいいだろうなんて論理は全く成立しないのです。

 原発問題にしろ、このカジノ問題にしろ、巨大な渦の底に巻き込まれてしまっている暗い想念が想定外の暴発をしないうちに、青空を垣間見(かいまみ)ることができるように……と日本人として心から願っています。キョロキョロ、チョロチョロ政治家だけでなく、気骨ある勇敢な政治家が一人位いないもんですかねえ。