2017年7月17日月曜日

コラム 98  野生動物の肥満なんて、見たことが無い  

標高1600メートル付近で年の半分以上を過ごしていると、幾種類もの野生動物に出会う。だが、食べ過ぎて肥満になった動物なんて、少なくとも私はこれまで一度も見たことが無い。シカ、カモシカ、イノシシ、キツネ、テン、タヌキ・・・・・皆ひきしまっている。
一般に厳しいと云われる自然ではあっても、季節によっては食べようと思えば必要以上に食べられる時期もあるだろうし、食っては寝、寝ては食って運動不足に陥るなんてことも考えられなくはない。しかし野生の原理とはその辺、バランスのいい適量を感知出来るようになっているものなのだろう。 

肥満となって動きが緩慢になっている動物となると、きまって飼育されている動物だ。食べ過ぎと運動不足が主たる原因だ。
紛れもなく動物の一種族である人類は、文明国家のことであろうと思うが、今や三分の二が肥満だという。
こうしてみると、人間はすでに野生を遠く離れて、誰にともなく飼育されている動物となった、と見ることが出来る。文明国家危うし!