2016年8月1日月曜日

コラム 48 <ブロイラーと人間> 

暗くなったら目が見えなくなるのだから、人間はどう見ても夜行性動物ではない。だから野鳥と共に起き野鳥と共に眠るのが、人間にとって最も自然な生活の形なのである。 

 
野鳥と共に、とはいささか早過ぎる感もないではないが、野鳥が時代と共に夜ふかしをし、朝ねぼうするようになったなどという話は聞いたことがない。野鳥達は自然から与えられた摂理をいまだに保っている。
人間に強いられてそれに違う生活をしているのが、ブロイラーの鶏達である。彼らは太陽の巡りと違うサイクルを人工照明によって与えられ、速成飼育されている。人間とはおそろしいことを考えるものだ。 

だが待てよ・・・・・太陽が沈んでも眠らず、登っても起きずにいる人間は、このブロイラー鶏と似ているのではないか・・・・・早朝野鳥達の盛んな囀りを聴きながら、突然そう思った。我々はいつの間にか人工環境の中に生き、年々その度合を深めている。不快な胸さわぎにおそわれた。