コラム234 <病について>
治すは人間の意志
治るは天の意志
奇跡は、この二つが合わさった時
身体が自由に動かぬ自分を腑甲斐無いと思うこともあるだろう。
自分に苛立ち、人に苛立ち、事に苛立って気が萎(な)えることもあるだろう。本当のところ全ての苛立ちは自分への苛立ちなのだ。
死んだ方がましだと思うことすらあるだろう。
だが命は自分の意志だけで支えられているのでは決してない。よくよく考えてみれば、天の恵み、人の恵みにどれ程多くを負うているだろう。それを考えれば、自分にできる最大限・最深の形で恩を返しながら生き切らなければ、恩知らずの誹(そし)りを免れ得ないだろう。決意のまま、自分らしく生き切れればいいのだが……。