〝他人のことを言えた義理じゃない〟・・・・・と言って皆口をつぐみ始めたら、どうなるだろう。失礼なことがあっても、驕り高ぶりがあっても誰も言ってくれなくなったらどうだろう。世に人間の出来た人はそんなに多くないのだから、心は澱んで腐ってしまうんじゃないだろうか。
人間社会のことだ。言いたくとも言えない時がある。言いたくとも言えない人が沢山いる。悲しいかな、言っちゃいけない、言っちゃあならない立場だってある。みんながみんな、思ったことを口にできる訳がない。
だから、言える人は精一杯勇気を出して言うことだ。人が人の道を誤たないように・・・・・。
〝自分というものは、棚に上げるものです〟
こう心強いことを言って下さったのは小林秀雄さんであったか・・・・・。
〝自分のことを思ったら何も言えない〟などと言う人がいる。まじめに考えれば大概の人はきっとそうだろう。だが、本当にそう思っているんだろうか?
軽々とこんなことを言い得る人には、重いものを上げる棚などないに違いない。
あるべきことを、あるべきようにやろうよ。
人の道を誤たなければ、一歩一歩平和な世界に近づいていくのだから・・・・・。